Webアニメスタイル 板野一郎インタビュー(4)


http://www.ntv.co.jp/ghibli/web-as/01_talk/itano04.html
「アニメ様の七転八倒 第3回 板野サーカスの神髄」も並列に読んでいく。
http://www.ntv.co.jp/ghibli/web-as/05_column/animesama03.html

TV『マクロス』本編では、シリーズの実質的な最終回である27話「愛は流れる」が話題になる事が多いが、僕的にはむしろ、マックスとミリアのバトルをたっぷり描いた18話「パイン・サラダ」を、板野さんのベストワークとして推したい。担当カット数も多いし、背動も素晴らしい。

全く同意。板野一郎インタビューが始まってから一番見返したのがこの「パインサラダ」だ。
劇場版では残念ながらマクロス艦内を逃げ回るクアドラン・ローの描写は敵艦での密室バトルに変更されてしまった。これはこれで緊張感溢れるカットになっているのだがやはりあのクオリティでこのカットを見たかった。全体のクオリティが上がってるからTVよりもインパクトは弱まってしまう上にこんな作画担当したら死ねるけども。

バーニアの熱でカメラのレンズが歪む画面効果も。

驚いたのが、敵機のミサイルを避けるカットで、バルキリーが高熱源体を発射していた事だ。高熱源体といっても画面の中では小さな点でしかない。3つの高熱源体を後方に放ち、そのうちのひとつがミサイルとぶつかって、爆発するのだ。

これは当時メカフェチ(死語)の間でよく話題に上がってたなぁ。

画面中央の白い点が発射された高熱源体。2つは失敗し、最後の1つが成功してミサイルを爆発させる。

劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』は、TVシリーズよりも遙かに作画の密度が上がっている。公開から20年以上を過ぎた今でも、メカ作画に関しては、質的にもボリューム的にも全アニメ作品の中でトップクラスに位置する作品だ。勿論、板野さんにとっても代表作なのだが、残念な事に、腰が浮く感覚は弱い。

そうなんだよなぁ。絵は綺麗なんだが、あまり板野サーカスが堪能できないんだよ。劇場版では「パインサラダ」でのマックスvsミリア戦が描き直しされてるのだが、俺的に好きなのはここかなぁ。
ミリアのミサイルをマックスがガウォーク形態で後退しながら避け、マックスを追尾するミサイルをカメラが追い越し、更にカメラ手前をミリアのクアドラン・ローが交差する辺りのスピード感は非常に心地良い。板野さんかどうかは不明だが、これはコンテがいいんだろうな。

小黒 前半で、地上が攻撃を受けるところがあるじゃないですか。花屋の前に兵士と女の子がいたり。
板野 ああ、それは僕です。

あの一連のカットって庵野さんかと思っていたんだけど、女の子の顔が板野顔だったのがずっと気になってた。モーションコミックかなんかで板野さんの女性キャラ画が出てたのを憶えてたので。

Webアニメスタイル 板野一郎インタビュー(4)” に7件のコメントがあります

  1. この時代の裏話は面白いし夢があるなあ・・・AICの初期OVAの頃の話もやってくれないかなあ

  2. 次回インタビューで「メガゾーン23」は出てくると思うけども、AIC初期かぁ。ガルフォース辺りはそろそろ再評価の時期かもしれない。

  3. 地上攻撃のカットは吹き返しがあったり、熱波の後に衝撃波が襲ってくる
    ちょっとロジカルな爆発は庵野さんだと思ってた。
    あと雲が蒸発したりってところは庵野さんなんじゃないかなぁ?
    そのあとの高速道路がズタズタになるカットがわからん。

  4. あ、メカフェチ(死語)の人だ。
    前後の話の流れから見て小黒さんも庵野さんの話を聞こうとして振ったようだし、板野さんがラフ原描いたって事なのかな。でも間違いなくあの少女は板野キャラだ。

  5. そうそう、キャラが板野キャラなんで、カット毎の見分けが付いた感じ。
    あと爆発の調子も、庵野爆発と板野爆発ではだいぶ違う。
    もうナウシカだろうとDAICON4だろうと、庵野爆発のディティールは基本おんなじ爆発なので、その辺で区別するみたいな。
    27話でも戦車が手前にある大爆発カットとかは庵野さんだと思う。
    こうして並べてみると、板野さんと庵野さんって全然違うタイプのアニメーターだよなぁと、某社の神某さんと駄弁った事を思い出しましたよ。
    あと、27話のガォーク形態のVF−1sの頭部がポップアップするシーンとか
    マクロスブリッジのトメとか、クラッシャージョウのコルドバが迫ってくるシーンとかのメカのフォルムが嫌にシャープだなと思ったら河森氏自身のレイアウトか原画が入ってたりして、当時のメカ物は目が離せなかったっすよ。

  6. 追加補足
    庵野さんのアクションって動く物に適正な質量感がある感じ(例、剣の舞い)の印象があって、滅茶苦茶速いわけでは無い。
    対して板野さんのアクションは、もっと全然トリッキーで、フレーム内をガンガンに飛び回るハイスピードなアニメートの印象がある。
    なんか本質的な気持ちよさの質が全然違う気がするっす。
    ちなみに私はどちらも好き。
    常に携帯電話にモバイルムービーで保存してるのはダイコン4だけど。

  7. カメラワークは別にして、俺は火花のエフェクトで見分けることが多いなぁ。
    >あと、27話のガォーク形態のVF−1sの頭部がポップアップするシーンとか
    これは当時聞いた覚えがあるな(笑)
    27話の「アターック」から遠くにいたバルキリーが1コマでドン!とドアップで出てくるところとか思い切って(抜いて)るなぁと思った。
    関係ないけどドアップのドはドレッドノート級のドなんだろうか。

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