同人誌・パロディは海賊行為?


http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_b72f.html
ミスリードしてると思う。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/cycle/dai8/8gijiroku.html

「模倣品・海賊版対策」の1つ目の項目は、「海賊版の広告行為を権利侵害とする法制度の検討」ということで、四角の中でございますけれども、著作権法において著作権を侵害する海賊版を販売するための広告行為は現状では権利侵害を構成することにされておりません。一方、商標、意匠あるいは特許などもそうですけれども、他の知的財産権は広告行為自体が権利侵害となっております。昨今、いろいろなインターネットオークションとか、ウェブサイトなどで著作権を侵害する、例えば大っぴらに海賊版の映画のDVDが売られるというようなことも多発してきておりますので、ほかの産業財産権に合わせて著作権法においても海賊版を販売するための広告行為そのものを権利侵害とするように法制度の整備を行ってはどうかということでございます。

元PDFなどを読むと、国際犯罪も視野に入れた「海賊行為を取り締まるため」とある。これは明らかに路上やオークションでの短期間での売り逃げが可能な海賊版販売を視野に入れての法案である。
元々海賊版取り締まりの法案なのに、竹熊先生の説明だと『(海賊版→)著作権侵害→同人誌やばい→創作の危機』という流れになっていて、法案の目的をあやふやにしたまま薄い部分を思いっきり大きくして問題提起しているような気がしてならない。もちろん竹熊先生は創作に携わる人なので自分にとって海賊版よりも創作の危機の方が重要なのは分かるんだけど、本来は『海賊版→著作権侵害→犯罪組織の資金源』の防止なんだからそこの所ははっきりさせておいた方がフェアだ。日本政府が同人誌文化を根絶やしにしようとしてる!同人誌などのパロディ・引用文化、ひいては創作の危機だ!と無闇に読者を煽るのも問題あると思います。
実際この法案が可決したとして同人誌文化にまで影響あるかというと拡大解釈すれば「ある」だろう。でもそれは法の抜け道みたいなもので、本筋ではない。どんな陰謀論があるのか知らないけど、きっちり海賊行為の規定をしてくれれば大丈夫なんじゃないかと思う。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/cycle/dai8/8gijiroku.html

ちなみに、ほかの国の立法令を見てみますと、アメリカなどは17ページのところに書いてございますが、職権起訴が可能である。あるいは、ドイツは原則親告罪なのですけれども、特別な公益上の必要を認めた場合には職権起訴が可能であるというようなことで、EUの指令も同じような提案が今なされておりますので、国際的な調和の観点からもおかしなことではないと考えられるのではないかということでございます。

このドイツの例なんて柔軟でいいんじゃないかなぁ。
<追記>
赤松先生のとこでタイムリーな著作権侵害ネタが。
http://www.ailove.net/diaries/diary.cgi

一昨日、「ネットでは早めにネタバレ記事が出回ってしまうので・・・」と
書きましたが、今週はちょうど早売りスキャン&UPの件で逮捕者が出てて、
ネタバレUPは自粛ムードだったようですね(^^;)。う~む・・・。
(http://news.braina.com/2007/0519/enter_20070519_001____.html)
逮捕の根拠が著作権法違反ということですから、今回で言うと恐らく事前に
松江先生や雷句先生、井上先生の所へ、著作権侵害に関する出版社への委任
状めいた書類が行ったことだろうと思います。

同人誌・パロディは海賊行為?” に9件のコメントがあります

  1. 痛いニュース経由で見ましたけど、竹熊先生なんか最近ゆんゆんしてるなぁ。
    元からと言えば元からだけどギャグで落とすって成分が無くなってギラギラの剥き身って感じがする。。。
    けど被害妄想かもしれないけれど、極端な話、市販の塗り絵に色塗って娘の作品ですっつってブログにアップでも捕まえようと思えば捕まえられるってわけで。
    なんでもかんでもネタにして俺らに逆らうと捕まえちゃうよ?って状況にならないとも限らない。
    海賊版対策なら目的に特化して誤解を生まない状況を作るってのも必要じゃないかなぁ。
    改正は大変だから柔軟に使えるようどうとでも解釈できるような法案にしとこって見えちゃうんだよ。
    こわいこわい。

  2. 確かに法案通ってみたら当初の目的はどこへやら、ってのも聞く話ですけども。あ、俺も別に現行法のままでいいと思ってるので。念のため。というか親告罪便利だし。
    ただなぁ、各人が判断して危機意識持つんなら結構だけど、なまじ竹熊先生は発言力大きいだけに竹熊先生の一方的なアジテートだけ聞いて乗せられてる人も多いんじゃないかなぁ。それが心配だ。
    >ちなみに俺にこの事実を教えてくれたのは某新聞記者さんですが、
    むしろ自分が気にしているのはこの部分。竹熊先生自身も乗せられてる気がするんだよなぁ(;´Д`)穿ちすぎかな

  3. まぁ、それでもようつべとかニコニコとかの動画投降がピンチになる!
    とか色々と微妙な事例を取り上げて、騒ぎ立てることも可能なんですけどねぇ・・・。
    というか、この手の話題って毎年上がって、毎年騒ぎ立てて、毎年よくわからないままに立ち消えになって収束するんですが、
    それで何か進展してるんですかねぇ、推進する側も、反対する側も・・・。
    もう飽き飽きしてるので個人的には成立or根絶の方向で決着つけてほしいところ。

  4. 初めまして。
    竹熊先生の話ですが、そもそもこういう法案がおおっぴらな説明もなしに通る可能性があること自体問題なのでは。
    本当に真っ当な案なら堂々と宣伝していいわけですし。
    著作権延長案に世間の目が向いてる内に通してしまおうという考えも邪推出来なくはないですよ。
    純粋に海賊版を取り締まるだけなら何の問題も無い訳だし、むしろこれぐらい神経質な方が良いのではと私は思いますが。

  5. この法案の意味は2つあって、1つは「海賊版取り締まり」、もう1つは色々指摘されているように「警察が更なる権限を持つ」ことであり、後者が問題になりうるということは自明です。しかし、竹熊先生は「海賊版取り締まり法案」を拡大解釈、「海賊版取り締まり法案」であることをすっ飛ばして「国(警察)が同人・パロディ文化を潰しに掛かってるぞ!」と全方位に煽っている訳です。「これは海賊版取り締まりのための法案であるが、解釈次第では同人や創作活動の制限にまで広がる可能性がある」という論旨できちんと順序立てて説明できていれば私も特に問題ないと思います。しかし、これはやり方がうまくない。
    あと、「非親告罪化」が一人歩きして、「同人パロディは非親告罪にて立件可能」にと更なるミスリードを呼んでいる事態も軽視出来ません。
    >本当に真っ当な案なら堂々と宣伝していいわけですし。
    >著作権延長案に世間の目が向いてる内に通してしまおうという考えも邪推出来なくはないですよ。
    webで閲覧できる情報なので堂々とまでは行かないまでも隠しているとも思えません。ま、それはともかく、今は本題(海賊版対策)がどっか行っちゃって、邪推ばかりが先行してしまっているのが問題なんですよ。

  6. あのですね。カスパルでぐぐって見てください。
    (野田聖子とのからみでもね、正直この団体が馬鹿だったからよかったようなものの…)
    同人誌のみならず、現行の某与党宗教集団を始めとして
    漫画やアニメを自分たちの利権構造にはめこみたがっている人は多いんですよ。
    問題は主導権が握られること、それによって追求構造とその範囲のエスカレート化を恐れているいるんですよ。
    (フレデリックワーサムでもぐぐってみてくれ
    一番恐ろしいのは自主規制だってことがわかる)
    この問題についてポイントとなるのは法案の内容とその進展よりその時期です。そうみなしたからこそ、竹熊さんのような聡い人が問題のエスカレーションおよびその解釈の暴走も考えた上で今この時期に緊急の話だ!
    と訴えたのでしょう。
    これはガンと同じで、初期段階にそれが良性の腫瘍かガンかと見極める必要があり、彼はこれは転移しかねないそうとうたちの悪いガンだとみなした。
    その兆候を見て取ることを誤診治療だ、と見るか、早期発見と見るか。
    今この時期だからこそ、だと思いますね。
    これがTVにもおおっぴらに取り上げられた時点でもしこれが漫画アニメつぶしにつながる法案だったとわかってももう遅い。
    その時点には移転してしまって、直す見込みがなくなってしまう。
    拡大解釈は日本のお家芸であり、ただでさえ、アニメも漫画もヘロヘロの状態になっている時に、安易に進められるお菓子を食えるか、毒入りの可能性もあるかもしれないのに、ちょっと待ってくれということと思います。
    解釈の権限をそれを利権としかみなさない団体組織に委譲させられるのは、その業界をそれら組織の下部団体にみなすということです。
    あなたたちはカスラックの利権と枠組みで構成された、「浄化された安全な」アニメ漫画だけあればいいと考えているなら、何も言えませんが。
    どこまで見て、何が考えられるのか、それなりに表現とメディアと権力の相克の歴史を知っていればこそ今の時点で表に出さなければ危険と判断したのでしょう、

  7. この手の話題事態、泥沼にはまると勝手な憶測やら意見の応酬が相次いで1個人サイトだけでは手に負えなくなってくるので、そろそろ収集してそれ相応な場所で続きを行って欲しいですね。
    ・・・要は規制問題も捕鯨問題もややこしい問題なのです。(ぇ

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