http://www.anido.com/html-j/kanada-j.html
雨の荻窪にアニメ関係者ばかり約800人が集結、この日ばかりは全てのアニメ制作がストップする、という冗談とも思えない笑い話が囁かれていた「金田伊功を送る会」に行ってきました。
約1000人のキャパの内、上記のように業界関係者がほとんどを占めたため一般枠の整理券争いは激戦だった。かくいう俺もアニドウのサイトにて30分前からPCの前で待機、時間になってアニドウのサイトにフォームが現れると同時に必要事項を書いて送信、とりあえずチケットは取れたようなので一安心してトップページに戻ってみたら「締め切りました。」の文字が表示されていた。 また送付されてきたチケットのデザインが素晴らしい。
はじめに、アニメーター佐藤千春さんによる「宇宙の星よ永遠に(ザンボット3ED)」のピアノ演奏。そしてオープニングフィルム的な映像が流され、送る会が始まった。 金田さんの代表作品を上映し、それに縁のある人による悼辞、という形でイベントは進行していく。
まず、金田さんの初作画監督「大空魔竜ガイキング」が上映。金田さんの師匠にあたる野田卓雄さんによる悼辞。新人だった金田さんの才能を見出した野田さんは金田さんに自由に描かせた上でキャラに修正を乗せたものの、会場で映像を見て「直し切れてませんでしたね」と場内の笑いを誘う。
この辺から記憶が曖昧なので順不同。スタジオZ5から亀垣一さん、平山智さん、本橋秀之さんが登壇。金田さんがドンデラマンチャを作っている時の話。机の上に置いてある金田さんの原画の束に何故か100円玉が貼り付けてあったという。金田さん的には「100円付けるから(この原画)通して!」という意味だったらしい。いい話だなぁ!
BSアニメ夜話でアニメマエストロとして活躍している氷川竜介さんの特別講座「金田伊功の技術と功績(だったかな?)」が行われた。PowerPointを使い、ザンボット3や幻魔大戦の原画や実際の映像をスロー再生しつつ金田パース、金田光り、金田アクションを解説。
「さよなら銀河鉄道999」「幻魔大戦」「ダウンロード~南無阿弥陀仏は愛の詩」を見た後にりんたろう監督が登壇。ダウンロード制作時はりん監督と仏教とか密教とかの話ばかりしていたらしい。それが高じてロケハンで一緒にチベットに行くことに。あと、
アニメスタイルイベント「アニメの作画を語ろう」
・「ダウンロード」製作時、マッドハウスで仕事していた金田伊功が「出入りしている女の子がかわいい」と言ってたが、その出入りしているところとは同じビルに入っていた某新興宗教団体の事務所だった。
この話がりんたろう監督の口から聞けた(笑)本気だったのかは分からないが申込書までもらってくる熱の入れようだったという。
庵野監督が登壇。「(亡くなるのが)まだ早いよ!」と。「ボクの映画を見て欲しかった」とも。一見、作画のスタイルも違うしあまり接点が無さそうだけど、ナウシカDVDの庵野監督によるコメンタリーでも金田さんの事についてちょっと触れられてますね。
「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」の金田さん参加のジブリ作品を上映。なみきさん曰く「ジブリ作品の近作になるほどどこやってるか分からないくらい金田さんの画が直されちゃってるね。ジブリ作品が面白くなくなっていくのと関係あるのでしょうか。」大勢の業界人を前に、堂々とジブリをdisれるのはなみきさんだけ!さすがだ!
金田さんがリアル金田アクションをまじえて「おれはグレートマジンガー」を熱唱しているプライベートフィルムを上映。 この時の「アニソン・ザ・グレート決定戦」の模様はOH!プロのサイトで見ることが出来る。
http://www.oh-pro.co.jp/html-j/komatubara_12.htm
この辺の映像は小松原一男さんが亡くなった時、やはりアニドウ主催で行われた追悼イベントで見たことがあるのでよく覚えてます。
金田さんをして「(もの凄く巧い)友永和秀がいるからOH!プロには行かなかった」と言わしめた友永和秀さんが登壇。金田さんが亡くなる一ヶ月ほど前、スクウェアエニックスからのゲーム仕事でテレコムに来た資料の中に金田さんの描いたラフがあったという。久しぶりに金田さんの仕事の画を見た友永さんは、金田さんの二原を担当するような気持ちで作画したという。
金田伊功を代表する傑作OP、「ボルテスV」「サイボーグ009」「銀河旋風ブライガー」を上映して〆となった。
https://www.youtube.com/watch?v=iKkgLE7c9lk
maeQさんのtwitterより
『メタルジャック』といえば、OPのケンと亮の殴り合いが『ボルテスV』OPのパロだと気づいたのは結構最近。だって、『メタルジャック』の方が観たの早かったんだもの……w
— 前Q(前田久) (@maeQ) August 31, 2009
『メタルジャック』といえば、OPのケンと亮の殴り合いが『ボルテスV』OPのパロだと気づいたのは結構最近。だって、『メタルジャック』の方が観たの早かったんだもの……w
あー言われてみれば確かにそうだ-。
最後に親族からの挨拶と言うことで牧子夫人と伊功氏の弟さんが登壇。牧子さんは「あの人がフェチだったもので・・・」と言うことで、なんとポニーテールで登場!すごい!なんだか分からないがすごい!
退場時に小冊子「金田伊功 FOREVER IKO」をいただきました。フルカラー24ページの素晴らしい本でした。金田さんの人柄のようにあまり湿っぽい雰囲気にもならず、無事天国へ金田さんを送れたことでしょう。向こうでも破天荒な原画を描いて、天国の小松原作監を困らせてください。いや、ホントにいいイベントでした。
そう言えばブライガーのDVD完全BOXの金田伊功描き下ろしとかも画だけ欲しいよね、画だけ。
以前自分がVJとして参加させていただいたイベント「Real Connect Wired Vision」で使ったネタをベタに繋げて音付けただけのもの。送る会から帰ってから作ったので音の位置合わせもしてないやっつけもいいとこな半端な映像ですが、今見返すと金田さんのCUTはたくさん使わせていただきました。
さようなら。金田さん。