非実在関係

なんというか、「あまりにトンデモなので通らないだろう」以前に、あまりにトンデモ過ぎて正常な思考が働かない。何が正しくて何が間違っているのか、あっちが正しくてこっちが間違っているのか、そんなことを考えているとどこからかギルの笛の音が聞こえてきて気が狂いそうだ。
俺のスタンスとして、奇異なモノがまかり間違って目立ってしまったならば叩かれるのは当然の事なので、規制されたならされたでしょうがねぇかとは思う。そしてそれが犯罪であると言われても多分俺の生活はそれほど今と変わらない。ただ、これほど多大な影響を持つ規制をロクに議論もせずにロクでも無い奴らに一方的に押しつけられるのが癪に障る。それだけ。
今回、正直有効な手だてが全く見当たらない。出版業界とかアニメ業界とか天下りいねぇのかよ、こういう時の為の天下りだろうがよ。弾幕薄いよ、何やってんの!
出版社と漫画家は声を上げてるが、アニメ業界からは聞こえてこないのも気になる。個人で動ける作家と違って、アニメ業界の上にはTVや映画業界があったりと単独で声を上げづらいのかも知れないが、漫画業界がダメージ受ければ漫画・ラノベ原作頼りなアニメ業界だってただごとじゃ済まない。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/15/news074.html

「文化が興るときにはいろんな種類の花が咲き、地の底で根としてつながっている。根を絶つと文化が滅ぶ」(ちばさん)

ホントだよ。ちばさんいい事言った。キャプションもイカしてる。

「死ぬ前にひと言言っておかないと危ない」と冗談めかして語るちばさん

ただ、「根」が「根」であるためには「根」は地の底になくてはならない。地上に出てきた根は単なる邪魔者に過ぎない。ただ、今回は地下に潜っている根も構わず「根絶やし」になる可能性が大きいと言う。
不景気と呼ばれナチュラルに偽装や万引きやゴネ得が横行している今の社会状況じゃ、締め上げれば締め上げるほど簡単にルールは破られ、善悪の判断が麻痺し、結果としてモラルはさらに低下する。それは道徳観の崩壊である。
<追記>
漫画の性描写、都規制案 結論先送りの方向

漫画キャラクターなどの性描写を規制対象に明記する東京都の青少年健全育成条例改正案について、都議会第1党の民主党は16日、今議会中に可否の結論を出すことを見送り、改正案を継続審議にする方向で調整に入った。

とのことだが、向こうは初めっから通す気満々で強行しているので予断は許さない。規制賛成側からすれば反対側からの意見など「児童ポルノを肯定」するように捉えられてしまい、いくら「そうではなく、恣意的に適用される事が危険」と主張した所でこんな「ボッキしたら負け」的なルールでは圧倒的に不利だ。
今回の件、20年前の宮崎勤事件に端を発したオタク弾圧からすれば特にトリガーになったと思われる事件はなく(しいて言えば実写のローティーン着エロの氾濫だろうか)、時代の流れでそうなったと言う感じだ。不思議な事に具体的にやり玉に挙がる漫画すらないというのが更なる混乱を招いている。まさに非実在。まあ来るべき時が来たというか、いつしか基準が20年来変わらない同人誌よりも商業誌の方が性描写の修正少なくなってきてたでしょ。そろそろやばいんじゃないかと思わない方がおかしい。いや、誰しも分かっていたはずだ、誰も言わなかっただけで。少なくともそういう後ろめたさがあった事は認識していた方がいい。