第38回東京国際映画祭「ChaO」青木康浩監督トークショー


第38回東京国際映画祭にて上映作品「ChaO」青木康浩監督トークショーを見てきました。汚いメモ書きからの書き起こしなので若干意訳を含みますがご承知おきください。

聞き手は藤津亮太氏。はじめに、「ChaO」が台中国際アニメーション映画祭でBest Feature Film賞と観客賞のW受賞したことの報告と挨拶。

─受賞した感想をお聞かせください。

「うれしい。とにかく一安心した。」ChaOの舞台は上海ですが、製作中は上海ロケでお世話になった人たちの顔が浮かんでいたので、現地に由来する賞を受賞したことで報われた気持ちになったとのこと。

─上海を舞台にしたこと。

舞台が日本だとなまじ知っている故にバイアスが掛かるのと、製作当時の中国は経済成長の波が押し寄せていて、上海には近未来的な建物がある一方で、古い街並みも残っているのが魅力だった。

人魚姫をモチーフにしたのは。

映画界では定期的に人魚姫のニーズがあるため、今までの(ディズニーのリトル・マーメイドを例に上げて)とはちょっと違った人魚姫の物語を作りたかったとのこと。

キャラデザと色彩について。

元々は青木監督がコントラスト重視するために図形を用いて丸いキャラ、細いキャラ、大きすぎるキャラ、小さすぎるキャラなどの大ラフを描いてそれをベースに小島大和さんにデザインしてもらった。
色彩は青木監督の19年前の作品「Amazing Nuts」と同じく成毛久美子さんにお願いした。ただ映画だと画面がガチャガチャしちゃうと飽きちゃうので「Amazing Nuts」の時よりは少し彩度を下げてもらった。
ChaOのキャラクターはフレーム(画面)の外にいても同じ時間を生きている(如意棒に捕まって再登場するレポーターや、ロベルタの所から帽子を運んできた鳩など)感じを出せるように心がけた。
人魚形態ChaOはきれいよりかわいい寄りに設定し、アジア系スタイリッシュな美人ということで小島さんにオファーした。(その結果、小島さんの癖が詰まった人魚形態ChaOが爆誕することになる)

青木監督の好きな香港映画の影響について。

香港映画はサービス精神に溢れていて1本見たら3本くらい見たような満足感がある。ChaOもその精神でサービスを盛りに盛っている(例:病室のシーンの顔を見せない看護婦、看護婦の背中で図面を書くロベルタ、実は最初からいたChaOなど画面の情報量が多い)。

最後にお客さんに一言。

(映画は)8割から9割分からなくて当たり前だと思っています。1回見て分からなくても、もう1回見てもらえたら気づくこともあるし、何年か後に見返して分かることもある。何回も見てもらえるような作品であって欲しいと思います。(私は今日で5回目鑑賞でした!)

青木康浩監督

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