「ChaO」の原点は19年前に作ったAmazing Nuts「たとえ君が世界中の敵になっても」

青木康浩監督作品「ChaO」は、青木監督が19年前に製作したAmazing Nuts(2006年)がそもそもの始まりだという。Amazing Nutsはレコード会社のavexとstudio4℃がタッグを組み、m-flo、倖田來未、RAM RIDER、minkと豪華なアーティストをフィーチャーして短編アニメ作品を作る、という実験的なプロジェクトであった。

3:たとえ君が世界中の敵になっても
音楽:倖田來未
監督:キャラクターデザイン:青木康浩
シナリオ:小原信治
CGI監督:川村晃弘/美術監督:新林希文

その中で青木監督は倖田來未の「たとえ君が世界中の敵になっても」を製作した。この時、青木監督はいつかこのNuts(種)で劇場長編を作りたいという漠然とした夢を持っていたという。なのでChaOの主題歌は倖田來未さんなんですね。

以下、たまたまAmazing NutsのDVDを持っていたのでそれらを見ながらChaOと比較したTweetを転載します。


※彩色設計の成毛久美子さんはChaOにも参加されてます。

そんなAmazing Nuts「たとえ君が世界中の敵になっても」が期間限定で配信中なんですよ、奥さん!

前述の「看板がボコボコに変形」「変形する雲」に加えて、「海岸とボート」「ニュースキャスター」「回転し続けるトイレットペーパー」「如意棒」などの小ネタは、ChaOを見てるとニヤリとすること請け合いです。

キャラクターデザインは青木監督自身によるものですが、立川シネマシティで行われたChaOのティーチインにて、キャラクターデザインを担当した小島大和さんが「青木さん絵が上手いんだから自分でキャラデザすればいいのに笑」って言ったら青木監督が「そう、上手いんです笑」って返したのも面白かったです。

第38回東京国際映画祭「ChaO」青木康浩監督トークショー

第38回東京国際映画祭にて上映作品「ChaO」青木康浩監督トークショーを見てきました。汚いメモ書きからの書き起こしなので若干意訳を含みますがご承知おきください。

聞き手は藤津亮太氏。はじめに、「ChaO」が台中国際アニメーション映画祭でBest Feature Film賞と観客賞のW受賞したことの報告と挨拶。

─受賞した感想をお聞かせください。

「うれしい。とにかく一安心した。」ChaOの舞台は上海ですが、製作中は上海ロケでお世話になった人たちの顔が浮かんでいたので、東アジアで賞を受賞したことで報われた気持ちになったとのこと。

─上海を舞台にしたこと。

舞台が日本だとなまじ知っている故にバイアスが掛かるのと、製作当時の中国は経済成長の波が押し寄せていて、上海には近未来的な建物がある一方で、古い街並みも残っているのが魅力だった。

人魚姫をモチーフにしたのは。

映画界では定期的に人魚姫のニーズがあるため、今までの(ディズニーのリトル・マーメイドを例に上げて)とはちょっと違った人魚姫の物語を作りたかったとのこと。

キャラデザと色彩について。

元々は青木監督がコントラスト重視するために図形を用いて丸いキャラ、細いキャラ、大きすぎるキャラ、小さすぎるキャラなどの大ラフを描いてそれをベースに小島大和さんにデザインしてもらった。
色彩は青木監督の19年前の作品「Amazing Nuts」と同じく成毛久美子さんにお願いした。ただ映画だと画面がガチャガチャしちゃうと飽きちゃうので「Amazing Nuts」の時よりは少し彩度を下げてもらった。
ChaOのキャラクターはフレーム(画面)の外にいても同じ時間を生きている(如意棒に捕まって再登場するレポーターや、ロベルタの所から帽子を運んできた鳩など)感じを出せるように心がけた。
人魚形態ChaOはきれいよりかわいい寄りに設定し、アジア系スタイリッシュな美人ということで小島さんにオファーした。(その結果、小島さんの癖が詰まった人魚形態ChaOが爆誕することになる)

青木監督の好きな香港映画の影響について。

香港映画はサービス精神に溢れていて1本見たら3本くらい見たような満足感がある。ChaOもその精神でサービスを盛りに盛っている(例:病室のシーンの顔を見せない看護婦、看護婦の背中で図面を書くロベルタ、実は最初からいたChaOなど画面の情報量が多い)。

最後にお客さんに一言。

(映画は)8割から9割分からなくて当たり前だと思っています。1回見て分からなくても、もう1回見てもらえたら気づくこともあるし、何年か後に見返して分かることもある。何回も見てもらえるような作品であって欲しいと思います。(私は今日で5回目鑑賞でした!)

青木康浩監督

押井守映画祭2025《うる星やつら 編》トークイベント

押井守映画祭ポスター

2025.7.26に池袋新文芸坐で行われた押井守映画祭2025《うる星やつら編》を見てきました。

「うる星やつら オンリーユー」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」が2本立てで見られるのに加えて、押井守監督と諸星あたる役の古川登志夫ご両人の登壇という豪華イベント。会場でとった汚いメモ書きをテキストに起こしたのでせっかくだからエントリーとして残すことにした。箇条書きのメモなので前後の話が必ずしも繋がっているわけじゃないのと多分に意訳も含まれているのでそこはご容赦を。

 

 

・押井監督は26歳でタツノコプロ入り。当初はラッシュフィルムのカット編集要員として入職するも、演出を志望して1日で編集室から演出部に転属となり、既に放映の終わってる「一発貫太くん」の素材を使って絵コンテの描き方を練習して入社からわずか3週間で演出デビューとなる。若かったのと演出までの道のりが短かったのでよくいじめられたとのこと。その後、師匠である鳥海監督に付いてスタジオぴえろに移籍。

・当初、「オンリーユー」は別のベテラン監督で制作がスタートしていたものの、半年経って出来たのが絵コンテ2枚とゲストキャラ・エルのデザイン(高橋留美子による)とシナリオ(金春智子による)だけだった。押井監督はその状態で製作を引き継ぎ、TVシリーズと並行作業で3ヶ月か4ヶ月でオンリーユーを完成させた。

・オンリーユーにラム星に向かう宇宙船の中でラムとあたるの家族がすき焼きを囲むシーンがあるが、あれはTVシリーズと映画の地獄の同時進行で大変なところ、師匠である鳥海監督にすき焼きをごちそうになりながら「自分の作品がかわいかったらどっちも逃げるな」と檄を飛ばされたエピソードが元ネタ。

・オンリーユーはファンのための映画だったのでキャラクターをたくさん出さねばならなかった。あの4人(弁天、ラン、お雪、クラマ)の見どころを作るだけでも大変。人を笑わせるのは人を泣かせるよりとても難しい。

・映画を作るのに色んなものを犠牲にした結果、TVシリーズはボロボロになった。

・シリーズはボロボロになったが若いアニメーターたちが「あそこ(うる星やつらTVシリーズ)に行けば好きなことが出来る」と集まってきた。

・TVシリーズから引き抜いたのは演出の安濃高志さんとメカアニメーターの山下将仁さん。山下さんにはとにかくメカを描きまくってくれとメカ作監をお願いした。

・彩色の手が足りず、最後の一週間は押井監督本人もセル塗りさせられた。

・それでも足りず、片っ端から知り合いに電報を送ってセル塗りを手伝ってもらった。挙句の果てにはスタジオの前の道で通行人にセル塗りのバイトしません?とお願いしたりもした。

・若い女の子スタッフを家に帰さないで作業させてたのを撮影監督の若菜さんにこっぴどく怒られた。

・それでも当時のアニメスタジオはどこも似たような制作環境で、自分のところよりひどいスタジオがあるというのを心の支えにしていた。

・編集、監督、演出、撮影らで0号試写を見たが、演出の安農さんと二人して言葉がなかった。押井監督曰く「映画に必要な何かがない」。

・「オンリーユー」は冒頭の長回しで神映画と呼ばれていた相米慎二監督の「ションベン・ライダー」と同時上映。オンリーユーは甘いだけで中身がなんにもない。

・アニメージュにて宮崎駿監督と初対面で対談、オンリーユーはボロクソに酷評されたが自分でも思っていたことばかりなので何も言い返せなかった。宮崎監督はアニメーションは設定がいちばん大事なんだよというが、作りながら場面場面で設定作ってるんだからそもそも設定なんて存在してない。小黒「カリオストロをオマージュしてるシーンもありますよね」

・監督同士で感想をぶつけ合うと最後にはディティールの突き合いになる。アニメなんだからもっともらしい嘘はついていいが、つまらない嘘はついてはいけない。

・そういう怨念を溜め込んで出来たのがビューティフル・ドリーマー。ビューティフル・ドリーマーを作ったことで自分がやりたいようにやっていいんだと開き直れた。

・公開当時の宮崎監督のカリオストロの城は「あれはルパンじゃない」と酷評されたし、同じように自分のビューティフル・ドリーマーはうる星じゃないと思う。

・うる星やつらはラムちゃんのファンが8割だったが、ビューティフル・ドリーマーはどう見てもあたるが主役なのでラムちゃんファンから叩かれた。

・ビューティフル・ドリーマー製作に当たって、Pに「TVシリーズの時のあたるの母みたいな話は止めてね」と釘を差された。


・映画監督は被害妄想のかたまり。周りがみんな敵。トーキングヘッドはそういう経験から出来た。

・監督は作家ではない。パトの後藤さんは特車二課という現場の監督であるが、後藤さんは責任を取る。それが映画監督との違い。

・パトレイバーの時は家賃も払えないくらいお金がなかったから仕事を請けた。攻殻機動隊の時も別の作品の企画を進めていたら攻殻の企画を渡された。

・なにかの間違いでオンリーユーとビューティフルドリーマーの順番が逆になっていたらどうなっていたか。

・古川「押井監督作品では諸星あたる、篠原遊馬(機動警察パトレイバー)、四方田犬丸(御先祖様万々歳!)を演じさせてもらったけど、御先祖様万々歳が声優としては一番面白い現場だった。あの永井一郎さんが自分のアフレコとっくに終わっているのに帰らずに最後まで残って見ていったくらい面白かった。」

・↑の古川さんの声優現場エピソードを受けて、御先祖様万々歳!の現場はこんなにハッピーなのに売れなかった。現場が楽しい仕事は売れない(と寂しそうな表情)。

・(他の作品を作るにあたって)プロデューサーから「御先祖様万々歳!」みたいなのも止めてくれと言われた。キャラクターが金属バットやドライバー持って対峙したりと不穏だから。でも血縁、家の話だから(そういうのを描くのはしょうがない)ね。

・アニメのあたるはイメージが違うとクレームが多かったという話。古川「音響監督の斯波さんに喫茶店に呼び出されたときは「役を下ろされるんじゃないか」と気が気でなかった。結果的に斯波さんに「頑張れ」と言われ勇気づけられた。」

・あたるは原作だともう少し二枚目なのね。でも俺がコンテでガニ股のあたるを描いてたらそのイメージがシリーズの作画の中で定着しちゃった。ご飯の食べ方もガツガツしてて下品だし。ああなったのは俺の責任。

・サクラ先生も原作のイメージと違うとクレームが多かった。でも原作では牛一頭ペロリと平らげるような強烈な個性のキャラクターなんだから普通の声優さんじゃ無理、ということで舞台畑から鷲尾真知子さんを引っ張ってきた(実際に引っ張ってきたのは音響監督の斯波さん?)。

・押井さんはうる星キャラの中ではしのぶが好き。(よく言われるビューティフルドリーマーでアパートの一室からしのぶを見つめる男性は押井監督自身の姿ということになっている)

事前に提示されていた小黒さんの「ビューティフルドリーマーにおける友引高校の校舎の階数問題」について。

押井さんのトークイベントはちょいちょい聞いてるんですが、攻殻は「時間がなかった・・・」に終止して言葉少なめであまり細かく話したくないのがアリアリで本人的にあまり気に入ってないんだろうと思われる(結果として押井純度100%の「イノセンス」を後に作ったわけで、「うる星やつら」の時と同じ構造になっている)のだが、うる星やつらに関しては本人の若かりし頃の青春のすべてを注ぎ込んだからなのか、40年前の作品とは思えないくらい饒舌だった。基本的に本人「うる星やつら」が好きなんだなというのが伝わってくるいいトークイベントでした。

「必見!『虹色ほたる』と東映動画の名作たち!!」を見てきた

http://animestyle.jp/2012/10/22/2733/
新文芸坐×アニメスタイル セレクションの33回目、「必見!『虹色ほたる』と東映動画の名作たち!!」を見てきました。
「虹色ほたる」は個人的に今年のNo.1アニメ映画として激推ししてますが、「虹色ほたる」DVD発売を11/21に控え、都合5回目(10回以上見てる人も多いので5回は決して多くはないですが)となる鑑賞の機会を新文芸坐×アニメスタイルイベントにて与えてくれたことを嬉しく思います。
アニオタフォース – 「虹色ほたる」を4回見てきた
上映に先駆けて、「虹色ほたる」監督の宇田鋼之介監督とアニメ様のトークショー。
「虹色ほたる」は正直、人を選ぶ映画だと思います。説明的なセリフを極力廃し(開始30分はユウタに何が起こっているのか正直分かりづらい)、作り手側から結論を提示することはしないという作品造りは一見不親切ですが、宇田監督はそれを「見る人に委ね」、「噛めば噛むほど味の出るスルメのような」作品を目指したとのこと。
「虹色ほたる」はダムに沈む村が舞台である。プロデューサーサイドから東映的な分かりやすい作品を求められていたけど、内包しているテーマが重いため結果としてディープな作品になってしまったとのこと。
エンディングのカットは尺の都合で本編から漏れてしまったカットを再利用している。自転車のCM部分はキャンディーズも作画した新井浩一さん。
隠れ設定:ユウタは文京区駒込在住。ケンゾーはデコトラ職人。独立するのが遅れたので芳澤さんとの結婚が遅れた(ずっと付き合っていた)。47歳のヘソ出しルックな旧姓芳澤さんは元々子どもの頃から洒落っけあったのと今っぽいカッコということで、基本的には森さんのデザイン。
ちなみに、原作からさえ子の名字は「オクヤマ」になっているのですが、ユウタの名字は特に決まっていなかったそうで、東映でオクヤマと来れば奥山玲子さんなので、言葉遊びから東映動画の名アニメーター小田部(コタベ)羊一、奥山玲子夫妻から取られたそうです(コタベじゃまんま過ぎるのでオタベになったけども)。その他、今発売中のアニメスタイル002にて「虹色ほたる」がコンテ、資料集付きで28Pも特集されてます。裏ネタ多数ですので是非ご一読の程を!

「虹色ほたる」は35mmフィルムでの上映。デジタルと比べてダイナミックレンジは低いので暗い箇所は確かにデジタルより見えなかったりしますが、フィルム独特のパーフォレーションの揺れはいい味出てたと思います。
「虹色ほたる」上映後、「龍の子太郎」「空飛ぶゆうれい船」「どうぶつ宝島」と東映長編(中編?)3本立てで上映。虹色ほたるも含めて全てフィルムでの上映で、前述の小田部、奥山ネタからうまく繋がった在りし日の東映動画の味を感じさせる良いセレクションだったと思います。
新文芸坐のロビーでは虹色ほたるの原画展示がありました。

信じられるかい?右が原画で、左が修正原画なんだぜ・・・。

そしてDVD発売を前に11/9DVDレンタル開始!また来週さえ子に会える!!!

宇田監督によるサイン入りユウタとさえ子イラスト。さえちゃんかーわーいーなー、超絶かーわーいーいーなー!!!
そうそう、アニメ様から来年「おおかみこどもの雨と雪」、「ももへの手紙」、「虹色ほたる」の「主人公が田舎に帰る3部作」の上映会しましょうとの嬉しい提言が。実現すればすごいラインナップですが期待して待ちたいところです。

イベント終了後、ふとした切っ掛けで大橋学さんとお茶する機会に恵まれました。


確かに自分も「ユンカース」と似たような匂いと情熱を感じました。
しかし、大橋さんはタフですね、先日のユンカースの上映の時もトークショー終えた後も帰らずにお客さんと一緒に朝までいてそれから自身の作品集を売るためにコミティアに行ったとのことでしたが。いやーすごい!

「ユンカース・カム・ヒアと大橋学のアニメーション」@池袋新文芸坐

池袋新文芸坐アニメスタイルのコラボイベント「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 30 ユンカース・カム・ヒアと大橋学のアニメーション」に行ってまいりました。

「ユンカース」が久々に劇場に掛かるのも有り難いですが、今回の主役は大橋学a.k.aマオラムド!大橋さんの監督作品「CLOUD(ロボットカーニバルの一編)」、キャラデザ、作画監督をしている「グリム童話 金の鳥」、「ちびねこトムの大冒険」、そしてスペシャルアニメーターとしてクレジットされている「ユンカース・カム・ヒア」の4本立て。特に「ちびねこトムの大冒険」はレア中のレアであり、今回の上映を観逃すと次はいつ見られるか分からない。

大橋学を初めて意識したのは多分アニメージュ付録のポケットデータノート。写真入りでアニメ業界人の紹介がされているもので他のアニメーターとは明らかに異なる風貌だったので「このヒゲの長髪の人は何者だ?」と思ったのを覚えてる。その後、「ボビーに首ったけ」でもANIMATION DIRECTORという特別な肩書きを付けられてるのを見てマッドハウス作品と言えば大橋学という認識が強くなった(金田伊功のSPECIAL ANIMATIONみたいな感じで)。上映に先駆けてまず佐藤順一監督と大橋学さん、アニメ様とでトークショー。大橋さんの口から「セーラームーン」という単語が出てきて驚いたが初代のED作画担当してるんですね。

ユンカース・カム・ヒアには本編以前のパイロット版が存在する(DVDに収録)。キャラデザ・作画監督を大平晋也が担当しており、しかしどう考えてもこの作画密度とペースでは完成できないとの判断により小松原一男作監体制が取られた。ユンカースのEDにて大平晋也作画は見られます。

 

大橋さんの作画担当は不思議な力で空を飛ぶひろみとユンカースの一連の背景動画。大橋さんの実娘の協力によって描かれたパステル画の背景の上にノーマルのセルをオプチカル合成している。

 

http://mirukai.tea-nifty.com/

ユンカースカムヒアのファン活動と言えば忘れてはならないのが「ユンカース・カム・ヒアを観る会」の濱田さん。ユンカースやアリーテ姫など、隠れた名作を下高井戸シネマなどで定期的に上映会を行っていた。マイマイ新子以前のファンによる草の根活動の草分け的存在である。ある時突然ネットから消えてしまったんですがお元気でしょうか。

ちびねこトムは制作期間1年で原画に井上さんや沖浦さんや木上さんとかが参加している。メインの動物キャラクターは丸っこくてかわいらしいデザインだけども、レオニスだけがまるで杉野さん描くところのシルバーか力石徹にしか見えない(笑)まあ、キャラ表にも力石を意識したキャラクターとして書いてあったそうだから無理もないですが。

宝島といえば大橋さんが担当したOPとEDが1週間しか与えられず、OPだけで6日使ってしまいEDを1日で仕上げた話など面白かった。

作画の遊びの部分が出来なくなったという話。遊びを重要な人物セルと同セルに描いてしまえばカットしようがない。こういう遊びをよくやっていたらしいが、ある時セルに描かれた遊びの部分をブラシで消された時には「ああもうこういう遊びができないんだ」と思ったと言う。

「金の鳥」制作時、大橋さん、福島さん、新川さんが一軒家の2階にアニメーター班として詰めていたという。ちなみに1階が背景班。でも結局福島さんが美人だという話しかしてなかったように思う。

金の鳥、未だDVD化もされていませんがたまに中古ビデオ叩き売りで見かけます。買っておけば良かったな・・・。

オムニバス形式の「ロボットカーニバル」で一番最初に上がったのは大橋学「CLOUD」であり、一番遅かった作品は2年掛かったという。CLOUDの原作は大橋学氏の自費出版本である「雲と少年」。この夏、夏コミで復刻版「雲と少年」が発売されたので手に入れた方もいるかと思う。
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サイン入れていただきました!

個人的にロボットカーニバルを通して見るのは当時以来。北久保さんの「明治からくり文明奇譚」は繰り返し観てたけども。朝4時というなかなか辛い時間帯であったが、正直ビーボォーの2作品に助けられた。おかげで眠らなかったよ!エンターテインメント万歳!

ユンカース・カム・ヒア [DVD]
発売日:2001/12/21
発売元:バンダイビジュアル
時間:100 分
定価:¥ 8,190(税込)
価格:¥ 5,733(税込)※30%OFF!!

東映アニメーションギャラリー探訪

ぬるヲタが斬るさんより
試写で見た「虹色ほたる」がすごい気に入ったのでT.ジョイ大泉に4回目の「虹色ほたる」を見に行くついでに道挟んだ向かいにある東映アニメーションギャラリーに行ってみました。実は1、2回目をバルト9で見て、3回目にT.ジョイ大泉で見たんですが、平日の夜のため寄れなかったので日を改めての再来です。正直、T.ジョイ大泉は大泉学園駅からまあまあ歩くのでせっかくここまで来るならついでにギャラリーも見ていった方がいいです。無料ですし、映画見る前の時間つぶしにもなります。
ちなみにT.ジョイ大泉は上映機材としてSONY製4Kプロジェクターを採用、通常の劇場よりも高画質で一見の価値ありです。
東映アニメーションギャラリー外観。

建物は結構古く、歴史を感じます。入り口にはプリキュア勢がお出迎え、短めの廊下を抜けた先がギャラリーになっています。
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その廊下に貼ってあった今冬に公開予定の「ONEPIECE FILM Z」のポスター。総合プロデューサー:尾田栄一郎、脚本:鈴木おさむ、オープニングテーマ:中田ヤスタカという、お金はありますから好きに作ってくださいよ的なやりたい放題っぷりはワンピで相当儲かっているんだなと思わずにはいられない。ビジュアルは非常にカッコイイ!
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等身大ハトプリ一堂。衣装は布地。
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でっかーいダンガードA。
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壁には歴代のアニメ作品の版権画が飾られており、これは「剛Q超児イッキマン」。上妻さんの版権だろうか。
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そして、ギャラリー右側の壁一面使って「虹色ほたる」の資料を展示。4Bの鉛筆で作画しているというだけあって極太の描線で、しかも繋がっていないので色トレス指示。
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ギャラリーの隣には立体物のコーナーがあった。オフィシャル、WF1日版権ものなど結構フリーダムな品揃え。
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やけに充実しているぽぷり。これオフィシャルなんて1個も無いでしょ。
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無造作にショーケースに置かれ、直射日光にジリジリ焼かれるキン肉マンたち。
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ジリジリ・・・。
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アンティーク風が完全に退色してその名の通りになってしまった「明日のナージャ アンティークミシン」。
本来この後「虹色ほたる」を見ていくはずだったんですが、連れに急用が出来たのと映画を見るよりギャラリーを見るのが今回のメインだったのでこれにて退散。また機会を見て4回目行きますよ。

コミpo!無料セミナー体験記

http://akibanet-kan.com/comipo.htm

昨日、twitterしながら12:30の吉祥寺のかみたまライブから18:30からの秋葉原ももクロライブまでの間、何か時間つぶせないかなーとtwitter横目にスケジュールをやりくりしていると、アニメーターであり漫画作成ソフト「コミpo!」のデザイナーでもあるいまざきいつきさんがアキバでコミpo!の講習会やるそうじゃないですか。調べてみたらちょうど15時からの部が空いたスケジュールにずっぽりハマることが分かり、しかもまだ申し込み募集していたのでついつい勢いで申し込んだ。いまざきさんについては以下を参照のこと。

アニオタフォース | 伊魔崎斎

会場はアキバとは言え東京メトロ末広町から近い若松通商6階アキバNET館。参加者は10人足らず、和気藹々とした雰囲気で進行していった。ソフトの体験講習会とはいえノートパソコンは自前で用意しなければならないので、前日にコミpo!の体験版をダウンロードしBootcampされたMacBook AirのXPで動作するのを確認した上で当日に臨んだ。会場では参加特典である全機能使用可能の10/31までの期間限定版コミpo!をインストールさせていただく。ソフトの動作は意外と軽快。コミpo!の事を簡単に表現すると3Dのオブジェクトを漫画のコマの中に置いていくという、言うなれば3Dマイホームデザイナーのようなソフト。オブジェクトも人物から小物、ふきだし、漫符に至るまでかなりの数が用意されている。さすがに無闇にオブジェクトを多用すればそれなりに重くなりますが。

司会の方がコミpo!の説明をするのに「漫画家の田中圭一さんが~、ドクター秩父山という漫画を描かれているんですが~ま、ちょっとお下品なので(笑)」と濁してたのを聞いて口に含んだおみず吹いた。つーかよく見るとキャラの名前が秩父山先生だし!

確かに操作は簡単、漫画が描けなくても漫画を読んでさえいれば配置していくことが出来る。コミpo!の漫画における重要な要素は絵の描き方ではなくレイアウトである。30分で作ったのはこんな感じ。つか終わらなかったんですけどね・・・。行き当たりばったりでオチが思いつかなかったので・・・。
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今のところはアニメ調キャラメインですが、シェーダーの進化次第で漫画以外の用途の可能性も見いだせそうですね。悪い言い方をすると味のないテイストレスなイラストがコミpo!で作れるようになると裾野が広がると思うんだけど。

会場にはメイドさんが一人いた。メイド喫茶橙幻郷のみずきちゃん。「えっ・・・アキバに桃源郷が・・・?」桃じゃなくて橙だったけど。お水頂いたり写真撮らせてもらったり撮ってもらったりと色々カマってもらった。

講習会終わっていまざきさんにサインをもらい、みずきちゃんとも握って俺はまた別のももいろ桃源郷へと旅立った。

コミPo! マンガ入門
発売日:2011-03-17
著者:田中 圭一 竹熊 健太郎 伊藤 剛 山本 直樹 古屋 兎丸 押切 蓮介 長嶋 有 すがや みつる 仲村 みう いまざき いつき
出版社:太田出版
定価:¥ 1,995(税込)
在庫:在庫あり。
中古:¥ 908~
魔法でわかる「労働法」 ―間違いだらけの労働現場―
発売日:2011-09-22
著者:曽利和彦
出版社:ハーヴェスト出版
定価:¥ 1,500(税込)
在庫:在庫あり。
中古:¥ 1,413~
ドクター秩父山 (ぶんか社コミックス)
発売日:2005-10-31
著者:田中 圭一
出版社:アスペクト
定価:¥ 1,260(税込)
在庫:在庫あり。
中古:¥ 315~

了法寺「かみたま」ライブin吉祥寺

https://aniota.jp/20111007/kamitama/

朝起きれたので行ってきましたよ、いつの間にか観音様から神様になってたきこうでんみさが出演する吉祥寺アニメワンダーランドの「森のわくわくステージ」!

前回きこうでんみさに会ったのはもう4年も前になるんだね。

きこうでんみさサイン会@ラムタラエピカリ

「かみたま」の二人。

「とろ弁天」こと、とろ美さん。

「吉祥天みさ」こと、きこうでんみささん。
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了法寺からやってきたのか、八王子ナンバーの痛車。本日、お台場で開催されていた痛Gふぇすたにはスケジュール被ってなきゃ出てたのかな。

物販でCDとDVD購入。俺と認識したらすごい恥ずかしがってたのでこういうプレイもいいなと思った。

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また3年くらいしたら様子見に来るからね。元気でね。

「REDLINE」見てきた

俺はアニオタ、スコシ優しい男・・・。という訳でいつもの四日市、ずるぼん、フチザキ、俺の4人で「REDLINE」公開初日の本日、新宿バルト9で見てきました。
http://red-line.jp/
KINEZOでチケット予約(2日前からオンライン予約可能)したんだけど、俺が見た段階ではどこも取られている様子がなかったのでどうやら俺が1番乗りだったみたい。劇場センター中央を4枚楽々確保できた。KINEZOで予約するのもすっかり慣れたものだけどここまで少ないのはさすがに初めてだったのでこの段階で客足が不安ではあった。
で、観た率直な感想を言わせてもらえば、「面白かった!」の一言。正直、中身はないので、いい音響と大きいスクリーンの揃った劇場で何も考えずに見るに限る。
そんな中でも原作・ディレクションの石井克人、監督の小池健自身が熱心なアニメマニアだけに作中に色んなアニメがインスパイアされており、それはあからさまなパロディではないけれど、石井・小池が血や肉としたものが匂いとして自然と作品に滲み出ているのが嗅ぎ取れるので、一般層だけでなくアニメマニアにも十分訴求できる。
まず真っ先に思い出すのが小池健の師匠である川尻義昭監督の「走る男(迷宮物語)」。同じレース物であり、作風は真逆だがベースとなる共通点は多い。

グラマラスでセクシーなカーデザインは「マシンハヤブサ」(マッハGOGOGOでもいいけど)。

ヒロインの名前が「ソノシー・マクラーレン」とか中途半端にF1引きずってる辺りが「サイバーフォーミュラ」。ああ、このTVシリーズ最終回は何十回、何百回見ても面白いですね。

ネタバレになるから詳しく書かないけどルパン(これは確信犯でパロ)とかAKIRAとかダロスとかナウシカとかイデオンとかも引きずってるように見える。まあ、もっとハッキリ言ってしまえばチキチキマシン猛レースなんですが。

小池健の「PARTY7 OP」。小池健としてはこの段階でほぼ完成している。TODOHIRAというマッシュルームカットなキャラが登場しているが、REDLINEにも三木・轟木というマッシュルームカットコンビが登場している。こういう童貞丸出しキャラに「トド」って付けるの意味あるのかな?

DVDマガジン「Grasshoppa!」での石井・小池作品「TRAVA」からTRAVAとシンカイが「REDLINE」へ友情出演!
帰りに物販でパンフとサントラCD購入。PARTY7に続いてジェイムス下地のサントラ良かった。PARTY7の時は通販でしかCD買えなかったから手にとって買えるのはいいことだ。
http://twitter.com/92on/status/26829531904

ばると9のREDLINEだいぶお客さん少ないです。初日と二日目の入場者数が実は重要なのです。観に行く予定の方は、今日明日で観に行って下さいな。

本日は雨だったとはいえ公開初日の夜とは思えない全体の3割くらいの客入りだった。まー、思ったよりは宣伝に力入れていたと思うけど普通に見る人選ぶ作品だと思うよ。キムタク他俳優声優がなんかしてくれるわけもなく。舞台挨拶でもやれば(試写会ではあった)興業成績に影響する初日・二日目の動員も少しは違ってたんだと思うけど、少ない観客の中でも多く目に付いたカップルも女性の方が見終わった後「なんか途中寝ちゃったー(はぁと)」とか言ってるの見るにつけ、興行的には色んな意味でダメダメだと思う。というか、どこで寝るんだろう・・・。
バルト9最大の収容人数を誇るシアター9で観られる内に、そして出来れば今日10日に見に行って下さい!

REDLINE SUPER ANIME ALBUM
発売日:2010-10-13
著者:
出版社:飛鳥新社
定価:¥ 1,470(税込)
在庫:近日発売 予約可
中古:~
PLUS MADHOUSE 5 小池健 (プラスマッドハウス)
発売日:2010-10-01
著者:
出版社:キネマ旬報社
定価:¥ 2,625(税込)
在庫:在庫あり。
中古:¥ 1,950~
REDLINE オリジナルサウンドトラック
発売日:2010-10-06
レーベル:good-beat.com
アーティスト:ジェイムス下地 Kitty Brown Veronica Torraca-Bragdon Andrew O.Jones SUPER BOINS Rob Laufer
定価:¥ 2,500(税込)
在庫:通常1~3週間以内に発送
中古:~

第5回アニ研連名作上映会@高津市民館大ホール

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Cell/7747/meisakuprog.html
アニメーション研究会連合に加盟している各自主製作アニメサークルの名作が一堂に会す、アニ研連名作上映会に行ってきました。4年ぶり、第5回目の開催となるのですが、個人的には第2回以来20年振り(!)の参加となります。その間も研連や大動画などの定期上映会はちょこちょこ見てはいたんですが、やはり名作と呼ばれる作品を一気に見れるのはいいものです。会場の高津市民館大ホールは広いし見やすくて良かったんだけど、ちょっと椅子が腰に合わなかったかな・・・。上映時間が5時間に渡るので腰もケツも痛くなりました。
総括すれば名作と言われてるだけにみんな面白かったんだけど、こうやってまとめて見ると近年の自主製作アニメはTVアニメフォーマットのパロディ作品(OP>Aパート>アイキャッチ>CM>アイキャッチ>Bパート>ED>予告)が多いなぁと感じた。まあ確かにTVアニメフォーマットはアニメを作るなら誰しも1度はやってみたいんだろうけども、その弊害でカット割りとか演出とかも商業フォーマットの域に収まってどっかで見たようなものに陥りがちになってしまう。確かに面白いんだけども、自主製作アニメ(というか作画寄り)として見ると何か物足りない。パロディアニメだと下手すりゃ最近のTVアニメでも見られたりするからね・・・。まあ、國學院の「ごつみて(ゴレンジャイ+マリみて)」みたいな反則スレスレなアニメも自主製作アニメならではだし、難しいところですね。あと、昔と比べてアマチュアでも十分演技が出来る声優が使える様になったというのも大きいんでしょう。
この日上映されたいくつかの作品はニコニコ動画にも上がっているのでご紹介。
中央大学「私立明洞学園特大筋力保有肉体派生徒会」。略称「筋肉生徒会」。ハックス!の今井哲也氏参加。自主製作アニメでミュージカルまで表現できるとは!

スタジオ39°8’「LS-1」。当時から自主製作アニメでもセルを使用した作品はあったが、学生中心の自主製作アニメでは人数的にも予算的にも限界があり、そこをクリア出来ても正直8mmフィルムではセルの魅力を十分に引き出す事は出来なかった。必然的にペンで清書された動画用紙を直接撮影するペーパーアニメが主流となる。黒と薄墨でとことん書き込まれ、ペーパーの魅力が存分に発揮されたこれは究極のペーパーアニメ。当時(「AKIRA」以前)としても「LS-1」の煙描写はアマチュアながら世界最高レベルでした。

電通大「LS-5/8」。「LS-1」オマージュ作品。LS-1のパワードスーツがSDキャラに!地味に巧いです。

無敵動画堂「激倒!ドミトル」。3分割されてるけど1つ目でお腹いっぱい(笑)でも全部見るとその作り込みの見事さに感動します!次回も倒しまくるぜ!



http://d.hatena.ne.jp/AKIYOSHI/20051001/p1
AKIYOSHIさんのドミトル記事も参照。
公式パンフレットにはハックス!の今井哲也インタビューが掲載されてました。本当は2日目も行く予定だったんですが5時間に渡る上映ですっかり腰を痛めてしまった・・・。和田高明さんの「共学驚愕学園」とか久しぶりに見たかったんだけどなぁ。
慶応のpowered suitやBANTLINE(今掛勇、水原賢治ら)のOPアニメーションとか、研連以外の名作も死ぬまでにもう一度だけ、見たいですね。

ハックス!(4) <完> (アフタヌーンKC)
発売日:2010-05-21
著者:今井 哲也
出版社:講談社
定価:¥ 630(税込)
在庫:在庫あり。
中古:¥ 340~
空色動画(3) <完> (シリウスコミックス)
発売日:2009-04-23
著者:片山 ユキヲ
出版社:講談社
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